開倫塾
2022年度版
県立高校入試問題分析
茨城県版
県立高校入試問題分析
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2022年度入試の出題傾向・2023年度入試へ向けて
1.2022年度入試の出題傾向
今回の2022年度入試は、新しい学習指導要領、新しい教科書に基づいた試験問題となりました。全教科で解答形式に変化がありました。国語・社会・理科では記述で解答する問題がなく、記号や語句を答える問題のみになりました。数学でも計算問題の復活や証明では穴埋めで記号で答えるなどの変化が見られました。英語では英作文を書かせる問題がなくなりました。ほぼ全問で記号選択問題でした。しかし、選択問題だからと言って安易に考えてしまうと、紛らわしい選択肢を選んでしまうこともあり得ます。
全般的に言えることは、図や表、そしてグラフから正確に情報を読み取る力が必要であるということです。また、文章の内容を要約して問題文や本文の核となる部分を捉える力が問われているものが多く出題されていました。各教科とも確かな知識を覚えた上で、その知識を組み合わせてどのように活用することができるかが鍵になっています。基礎・基本の知識定着の徹底とその知識を利用(応用)する力が問われていると言えます。確かな知識と学力が正解を選択できる助けとなるでしょう。
全般的に言えることは、図や表、そしてグラフから正確に情報を読み取る力が必要であるということです。また、文章の内容を要約して問題文や本文の核となる部分を捉える力が問われているものが多く出題されていました。各教科とも確かな知識を覚えた上で、その知識を組み合わせてどのように活用することができるかが鍵になっています。基礎・基本の知識定着の徹底とその知識を利用(応用)する力が問われていると言えます。確かな知識と学力が正解を選択できる助けとなるでしょう。
2.2023年度入試へ向けて
高校入試では出題形式や傾向に変化が見られる年度があります。その変化があったときに戸惑う受験生もいるかと思います。しかし、出題されている問題をよく見ると教科書の内容をしっかりと覚えたり、練習したりしていれば解くことができる問題ばかりです。入試に向けての勉強は一足飛びにするのではなく、まずは地道に目の前の課題をクリアしていくことが大切です。中学校の定期テスト(中間・期末)で点数を確保し校内順位を上げていくことが第一志望校の合格へとつながっていきます。定期テストでよい成績を残すには教科書内容をしっかりと理解し、学校のワークを使って定着を図りましょう。
開倫塾の通常授業は学校内容の理解と定着を図る内容で進んでいます。さらに、夏休みなどの講習や入試対策授業などで入試問題の対策を進めていきます。ただ、塾の授業だけでは定着が不十分です。学習内容の定着には自学自習で自分の手を動かして問題演習をしていかなければなりません。「塾の授業」と「自学自習」を車の両輪として受験勉強を進めていきましょう。
2023年度入試は新しい指導要領になって2年目の入試となります。ですので、ある程度の予測を基に対策をすることもできます。慌てず焦らず1つ1つの課題クリアを積み重ねましょう。
開倫塾の通常授業は学校内容の理解と定着を図る内容で進んでいます。さらに、夏休みなどの講習や入試対策授業などで入試問題の対策を進めていきます。ただ、塾の授業だけでは定着が不十分です。学習内容の定着には自学自習で自分の手を動かして問題演習をしていかなければなりません。「塾の授業」と「自学自習」を車の両輪として受験勉強を進めていきましょう。
2023年度入試は新しい指導要領になって2年目の入試となります。ですので、ある程度の予測を基に対策をすることもできます。慌てず焦らず1つ1つの課題クリアを積み重ねましょう。
教務部長 岡部正行
2022年度 県立高校入試問題分析【国語】
入試問題分析と講評
出題形式が大きく変化した。記述式の問題が、漢字の読みを書かせるものだけとなり、他はすべて記号選択の問題になった。漢字の書きが、記号選択なったのは、トメ、ハネ、ハライなど厳密に採点するかどうかが曖昧になるのを避けたかったのではないかと考えられる。作文が完全に無くなった。その配点分が、大問二と大問三での設問増に繋がっている。問題は、全般的に平易で、満点が続出してもおかしくはない。しかし、やはり文学的文章(小説)や説明的文章(論説文)等の読解力をしっかりとつけておく必要がある。古文も、「話し合いの一部」を使って、文脈を整理しながら、歴史的仮名遣いの確実な理解、文脈から誰を指しているのかの把握、内容理解などの力を養成する必要がある。
大問別分析
大問ごとに、【Ⅱ】という「補助資料」や「手紙文の一例」・「送り状の見本」などが付けられ、ただ単に問題を解くための出題ではなく、言動から人物像を考える手法の一例の提示や実生活で役に立つ知識を関連付けた出題になっている。
【大問一 小説文】
選択式の小問五問で構成。(一)は【Ⅱ】のノートを出来事の順でなぞる形式。(二)は、言動や出来事から主人公の心情を問う問題。(三)は登場人物の心情がそうなった理由、(四)は言動から、主人公の人物像を考える根拠となる部分に関する問題。それぞれ文脈に沿って、丁寧に読み取り、設問に合うものを選択すればよい。
【大問二 古典の文章】
選択式の小問五問で構成。(一)は歴史的仮名遣いと現代仮名遣いの違いについての問題。(二)は登場人物の呼ばれ方が異なる中での同じものの選択。(三)(四)(五)は内容理解。「話し合いの一部」を活用して、およその文脈を理解すれば、それほど難しくはないはず。
【大問三 論説文】
選択式の小問七問で構成。150字以内の作文は無くなった。(一)筆者の問題提起に対する筆者自身の考えを選ばせる問題。(二)前の段落との関係から「接続語」を選択させる問題。(三)脱落文(一文)の補充箇所の選択問題。(四)論説文の展開方法についての選択問題。論説文の読解の基本を押さえていれば対応できる問題である。
【大問四 言語事項・漢字の読み書き】
選択式の小問三問(四問)と記述式の漢字の読み三問で構成。(一)手紙の内容補充で、主部に対する適切に対応する述部の選択と正しい敬語についての選択問題。(二)送り状の表記の仕方で二例を比較しての選択問題。(三)漢字の書きに関する選択問題。(四)漢字の読みについての記述問題。
新傾向や注意すべき問題
ほとんど記号選択となり解き易くなったように思えるが、国語に関する正しい知識が要求されていることに変化はない。
2023年度入試への対策
記号選択問題への対応は考えず、文章読解力・表現力を磨き、語彙力・言葉に関する知識等の強化を図っていくこと。
2022年度 県立高校入試問題分析【社会】
大問数 | 4問 |
試験時間 | 50分 |
担当 | 山口秀孝 |
入試問題分析と講評
大問の構成は、前年度と変わりはなかった。しかし、約70点分あった文章記述の問題がなくなり、記号や語句で答えさせる問題が出題された。また、どの分野でもグラフや表を使った問題が出題された。
大問別分析
【大問1 地理分野】
すべての問題で資料を扱っていた。問題の傾向としては、資料を読み取る問題だけではなく、資料に当てはまる国や都道府県を問う問題などが出題された。
【大問2 歴史分野】
1.古代~近世(江戸)
基本的な語句を問う問題が多く出題された。また、出来事を古い順に並べかえる問題が出題されたが、出来事の名称が書かれており、解きやすい問題になっていた。
2.中世(鎌倉)~現代(戦後)
前年度の1.のような時代ごとのカードを作成し、それについて問う問題が出題された。こちらも基本的な知識があれば解きやすい問題になっていた。
基本的な語句を問う問題が多く出題された。また、出来事を古い順に並べかえる問題が出題されたが、出来事の名称が書かれており、解きやすい問題になっていた。
2.中世(鎌倉)~現代(戦後)
前年度の1.のような時代ごとのカードを作成し、それについて問う問題が出題された。こちらも基本的な知識があれば解きやすい問題になっていた。
【大問3 公民分野】
政治・経済分野からまんべんなく出題された。ただ、基本的な語句だけではなく、その語句の内容や事例がわからないと難しい問題もあった。また、(4)では資料を読み取る問題が出題された。
【大問4 三分野融合問題】
SDGsをテーマに三分野から出題されていた。大問1のように資料を読み取る問題や、歴史の出来事の並べかえ、基本的な語句を問う問題が出題された。
新傾向や注意すべき問題
歴史分野では、ある出来事と同じ時期に起きた出来事を問う問題が数問出題されていた。特に、世界の歴史に関する内容を押さえる必要がある。また、公民分野の問題は地理・歴史と比べて、問題の文章が長いため、問われている内容が曖昧になりやすい傾向がある。
2023年度入試への対策
どの分野においても、語句をどれだけ覚えているかが重要になってくると思われる。地理分野では、各国・各都道府県の産業の特色について覚える必要がある。しかし、やみくもに覚えるのではなく、基本的な語句(混合農業など)と絡めて覚えるとよい。歴史分野に関しては、世界の歴史についても学習しておきたい。そして、その出来事が起きたときに、日本では何があったのかを関連させて覚えることが大切である。公民分野は、国際関係や環境問題に関する内容を、最近話題になっていることを踏まえながら学習しておきたい。
2022年度 県立高校入試問題分析【数学】
大問数 | 6問 |
試験時間 | 50分 |
担当 | 伊藤修 |
入試問題分析と講評
採点に曖昧さが出ないように、採点ミスが起きないようにとの配慮か、文章で答えさせる問題や、証明をすべて書かせる問題、作図問題が出されなかった。
2018年度以前の形式と最近の形式とが混在した問題となった。
問題の難易度としては「易」で、上位校では8~9割は得点したい。
2018年度以前の形式と最近の形式とが混在した問題となった。
問題の難易度としては「易」で、上位校では8~9割は得点したい。
大問別分析
【大問1 計算・方程式】
・基本的な計算問題と2次方程式。難易度は易。
【大問2 小問総合】
・基本的な問題。問題演習をきちんとしていれば、何ら問題がないレベル。
題意を把握しきれないとやや難しく感じるかもしれない。難易度はやや易~標準。
題意を把握しきれないとやや難しく感じるかもしれない。難易度はやや易~標準。
【大問3 平面図形】
・証明は空所に対して適切なものを選択する形式。理解できていなくても、証明の流れや対応する順などから推測できる。
・各問いにおいて、問題文を正確に把握する必要がある。
・難易度は(1)はやや易、(2)は標準、(3)は難。
・各問いにおいて、問題文を正確に把握する必要がある。
・難易度は(1)はやや易、(2)は標準、(3)は難。
【大問4 関数】
・ダイヤグラムの典型的な問題。(1)①②とも易。
・(2)は問題文からグラフのどの部分を見るか問われていて、やや難。
・(2)は問題文からグラフのどの部分を見るか問われていて、やや難。
【大問5 データ分析】
・移行措置期間であるが、新課程の「箱ひげ図」が出題された。難易度は易~標準。
・ヒストグラムと箱ひげ図の関係や箱ひげ図の読み方の理解を問われた。
・ヒストグラムと箱ひげ図の関係や箱ひげ図の読み方の理解を問われた。
【大問6 空間図形】
・(1)(2)は教科書の例題レベルの体積や表面積を求める問題で難易度は易。
・(3)は最短距離の問題だが、題意を正確に捉えないと厳しい。難易度は難。
・(3)は最短距離の問題だが、題意を正確に捉えないと厳しい。難易度は難。
新傾向や注意すべき問題
記述や作図がなくなり、得点しやすくなったが、問題を正確に捉えることが重要なのは変わらない。配点が4~6点と高いので、1問のミスが合否を分ける。
2023年度入試への対策
教科書内容を理解すること。基礎~標準レベルの問題演習を数多くこなし、問題慣れすること。様々な問題を解くことで、題意の把握も正確になってくる。
2022年度 県立高校入試問題分析【理科】
大問数 | 6問 |
試験時間 | 50分 |
担当 | 小島佑介 |
入試問題分析と講評
物理・化学・生物・地学の全領域で学習する内容がバランスよく出題されたが、ほとんどの問題が選択式と大きく変化した。昨年2021年度入試では、いわゆる応用問題と言われる『記述』『作図』『計算』の問題に注目すると、全体の約半分を占めていた。しかし、2022年度入試では、文章で説明するような問題は一切なく、選択式でない問題がわずか2問となった。
しかしながら、問われる知識や計算、分析は難化したため、全体の難易度は例年通りだろう。また、複数の記号を選択する問題も散見された。
しかしながら、問われる知識や計算、分析は難化したため、全体の難易度は例年通りだろう。また、複数の記号を選択する問題も散見された。
大問別分析
全体的に図や表、文章量が多い。問題の傾向としては、『実験』に関する知識や技能、結果を考察する問題が増えている。
【大問1 小問集合】
選択式の小問が8つ出題された。全領域からバランスよく出題されているため、幅広い知識が求められる。
【大問2 音の性質(中1物理)】
振動数や音の伝わり方といった知識を問う問題と、中3数学で習うルートの計算が必要な問題が出題された。
【大問3 自然界のつながり(中3生物)】
生態系や有機物の循環などが出題された。小問(3)では選択肢が8つある中から正解の1つを選ぶ必要がある。
【大問4 地層(中1地学)】
生徒のノートと予想をもとに、図を読み取る問題が出題された。
【大問5 化学変化と物質の質量(中2化学)】
小問(1)では、生徒のノートにある化学反応式を完成させる問題が出題された。小問(3)では、結果から気体の質量を計算し、グラフを作成する技能が求められた。また、小問(5)は中1化学の範囲である『二酸化炭素の発生方法』が問われた。
【大問6 空気に関する問題】
主に中1化学の『気体の性質』と『密度』が問われた。特に、小問(2)では、結果から空気の質量を求め、単位をそろえて密度計算をする問題が出題された。
新傾向や注意すべき問題
知識を暗記するだけではなく、作図や計算に慣れておく必要がある。また、結果を分析し、自分の言葉で理解し定着さる力が必要である。
2023年度入試への対策
教科書に書かれた実験に関しては、目的・方法・注意点・結果・考察を関連づけて身に着けること。そのうえで、早く正確に文章や図、表を読み取る読解力を養うこと。
2022年度 県立高校入試問題分析【英語】
大問数 | 6問 |
試験時間 | 50分 |
担当 | 原田和明 |
入試問題分析と講評
これまで出題されてきた英作文がなくなり、代わりに語句整序の問題が出題されたのが大きな変更点である。それ以外の問題傾向は従来通りだが、解答の仕方に変更があり、今まで記述で答えていた問題が、文章中から抜き出して答えたり選択肢から選んだりする問題になったことで、やや易化された印象である。
大問別分析
【大問1 リスニング】
・(4)過去2年は英文を書かせる問題であったが、単語1語に変更された。
【大問2 適語補充・語形変化】
・A 2人でやりとりしたメールの空所に、文脈に合うよう指定されたアルファベットから始まる英単語を書く問題。
・B 文脈に合うよう英単語を変形させる問題。現在完了形(過去分詞)heard、人称代名詞(所有格)our、比較級harderが出題された。
・B 文脈に合うよう英単語を変形させる問題。現在完了形(過去分詞)heard、人称代名詞(所有格)our、比較級harderが出題された。
【大問3 長文読解】
・(1)ウェブサイトの記事を読んで要旨を把握する問題。
・(2)説明文を読んで、3つの文を並びかえる文整序の問題。
・(2)説明文を読んで、3つの文を並びかえる文整序の問題。
【大問4 対話文】
・(1)表を見て答える問題。⑤は英文をしっかり理解したうえで考えさせる問題。
・(2)対話の流れに合うように空所に適切な英語を入れる適語句補充の問題だが、これまでの自由英作文から、文章の中から抜き出すパターンに変更された。
・(2)対話の流れに合うように空所に適切な英語を入れる適語句補充の問題だが、これまでの自由英作文から、文章の中から抜き出すパターンに変更された。
【大問5 長文読解】
ブラインドサッカーを通じて学んだことについてのスピーチ原稿
・(3)、(4)の問題がそれぞれ、文章中からの抜き出しと適文選択に変更。また、新学習指導要領により前倒しされた仮定法の出題もあった。
・(3)、(4)の問題がそれぞれ、文章中からの抜き出しと適文選択に変更。また、新学習指導要領により前倒しされた仮定法の出題もあった。
【大問6 語句整序】
・不要な語(句)を一つ除いて並びかえるという問題が初めて出題された。
新傾向や注意すべき問題
英作文の代わりに出題された語句整序の問題であるが、不要な語(句)が入っていることで難度が上がった。文型を正しく理解し、基礎的なものから応用レベルまでの英作文を日々練習することが求められてくる。
2023年度入試への対策
記述問題がなくなったが、来年以降も同じような傾向で出題されることが予想される。ただ、新学習指導要領により、中学校3年間で習得すべき単語数は大幅に増えたので、さらに長文が増えることも考えられる。普段から長文問題に触れる機会を増やし、また、分からなかった英単語、熟語はすぐに調べて覚えるといった行動を習慣化してもらいたい。