開倫塾
2022年度版
県立高校入試問題分析
栃木県版
県立高校入試問題分析
栃木県版
2022年度入試の出題傾向・2023年度入試へ向けて
1.2022年度入試の出題傾向
今回の2022年度入試は、新しい学習指導要領、新しい教科書に基づいた試験問題となりました。全教科が試験時間50分になりました。また栃木県の入試問題で大きく目を引いたのは数学の出題形式の変更だったのではないでしょうか。大問数は6問で変わらなかったものの、大問ごとの設問数や問題の配列が大きく変わりました。しかし、よく問題を見てみると難問と呼ぶことができる問題はありません。解き方も試行錯誤するようなものはありましたが、複雑なものはありませんでした。数学以外の教科では特に大きな変更はありませんでした。
全般的に言えることは、図や表、そしてグラフから正確に情報を読み取る力が必要であるということです。また、文章の内容を要約して問題文や本文の核となる部分を捉える力が問われているものが多く出題されていました。このような傾向はここ最近続いています。各教科とも確かな知識を覚えた上で、その知識を組み合わせてどのように活用することができるかが鍵になっています。基礎・基本の知識定着の徹底とその知識を利用(応用)する力が問われていると言えます。
全般的に言えることは、図や表、そしてグラフから正確に情報を読み取る力が必要であるということです。また、文章の内容を要約して問題文や本文の核となる部分を捉える力が問われているものが多く出題されていました。このような傾向はここ最近続いています。各教科とも確かな知識を覚えた上で、その知識を組み合わせてどのように活用することができるかが鍵になっています。基礎・基本の知識定着の徹底とその知識を利用(応用)する力が問われていると言えます。
2.2023年度入試へ向けて
高校入試では出題形式や傾向に変化が見られる年度があります。その変化があったときに戸惑う受験生もいるかと思います。しかし、出題されている問題をよく見ると教科書の内容をしっかりと覚えたり、練習したりしていれば解くことができる問題ばかりです。入試に向けての勉強は一足飛びにするのではなく、まずは地道に目の前の課題をクリアしていくことが大切です。中学校の定期テスト(中間・期末)で点数を確保し校内順位を上げていくことが第一志望校の合格へとつながっていきます。定期テストでよい成績を残すには教科書内容をしっかりと理解し、学校のワークを使って定着を図りましょう。
開倫塾の通常授業は学校内容の理解と定着を図る内容で進んでいます。さらに、夏休みなどの講習や入試対策授業などで入試問題の対策を進めていきます。ただ、塾の授業だけでは定着が不十分です。学習内容の定着には自学自習で自分の手を動かして問題演習をしていかなければなりません。「塾の授業」と「自学自習」を車の両輪として受験勉強を進めていきましょう。
2023年度入試は新しい指導要領になって2年目の入試となります。ですので、ある程度の予測を基に対策をすることもできます。慌てず焦らず1つ1つの課題クリアを積み重ねましょう。
開倫塾の通常授業は学校内容の理解と定着を図る内容で進んでいます。さらに、夏休みなどの講習や入試対策授業などで入試問題の対策を進めていきます。ただ、塾の授業だけでは定着が不十分です。学習内容の定着には自学自習で自分の手を動かして問題演習をしていかなければなりません。「塾の授業」と「自学自習」を車の両輪として受験勉強を進めていきましょう。
2023年度入試は新しい指導要領になって2年目の入試となります。ですので、ある程度の予測を基に対策をすることもできます。慌てず焦らず1つ1つの課題クリアを積み重ねましょう。
教務部長 岡部正行
2022年度 県立高校入試問題分析【国語】
大問数 | 5問 |
試験時間 | 50分 |
担当 | 磯貝直希 |
入試問題分析と講評
全体としての大問構成に変化はなく小問数も例年通り(全33問)。2古文3論説文4小説の文章量は昨年とほぼ同じであった。記述問題は昨年から1問減ったが40・55字以内と字数はやや多めであり表現力を試される。
大問別分析
▶1《国語の知識》
1・2 漢字の読み書き×各5問
3~7文法・語句
漢字は標準的な問題が多いが「稚拙(読み)」「談笑(書き)」などある程度の語彙力がないと難しい問題も。書きは小4~6で習う漢字を中心。3~7の問題はここ数年は会話文などからの出題形式をとっていたが今年は独立した小問集合となった。ただし問題数・内容とも大きな変化はない。敬語は約10年ぶりに敬意の方向を問う出題。頻出の俳句の季語については出題されなかった。
▶2《古文》
江戸時代の「百物語評判」からの出題。昨年度より文章量はやや増えていて550字程度。出題形式・問題数に大きな変化はなし。
1仮名遣い
2動作主
3・4内容理解
5内容理解(記述)
1仮名遣い
2動作主
3・4内容理解
5内容理解(記述)
▶ 3《論説文》
三井秀樹「形の美とは何か」からの出題。問題文は日本人の自然主義的美意識と現代人に失われつつあるその感性について論じた一節を2部構成にして引用している。文章量は約2,000字問題数・内容に大きな変化はなし。
1 傍線部の内容説明
2傍線部の説明
3空所補充
4本文の図式化(Ⅰ)空所補充
(Ⅱ)理由説明
5文章構成
1 傍線部の内容説明
2傍線部の説明
3空所補充
4本文の図式化(Ⅰ)空所補充
(Ⅱ)理由説明
5文章構成
▶4《小説》
天沢夏月「ヨンケイ!!」からの出題。文章量は2,000字弱・出題形式・問題数・内容・難度とも大きな変化はなし。本文は酪農家になりたいという中学3年生の弟の真剣な思いを受け止め高校3年生の主人公が両親の理解を得られるよう弟を励ます場面が描かれている。登場人物の思考心理の読解が中心に出題された。
1指示語
2・3・4内容理解
5 傍線部理由説明(記述)
6 表現理解
1指示語
2・3・4内容理解
5 傍線部理由説明(記述)
6 表現理解
▶5《作文》
例年通り240字~300字の意見文が課された。テーマは「言葉」で参考資料として外来語と言い換え語例などが与えられている。昨年に続き2段落構成各段落の内容の指示があった。
新傾向や注意すべき問題
文章量・記述量増加の入試傾向にある。また文章全体をとらえる構成・展開に関する問題表現の特徴をとらえる問題も出題頻度が高くなっているので注意したい。
2023年度入試への対策
●大問1 過去の出題形式から逸脱しない問題ばかりである。過去問で出題傾向をつかみ計画的に十分な基礎知識を備えれば高得点が期待できる。●大問2 仮名遣い動作主の問題は頻出。特に会話文から人物の考えを読み取る練習は重要。●大問3~5 自由記述問題が3問あり字数条件が55字・40字・55字以内となっている。試験時間内に解ききるためにも答案作成のトレーニングを十分に行っておきたい。
2022年度 県立高校入試問題分析【社会】
大問数 | 6問 |
試験時間 | 50分 |
担当 | 巻島彰徳 |
入試問題分析と講評
去年度と同様に大問構成は地理歴史公民が2題ずつで配点もほぼ均等(地理34点歴史34点公民32点)であった。
小問数は44問(うち論述問題が6問)でほぼ例年通りの出題であった。去年と大幅に変わったところはなく記号問題も多い(全体の6割)ため比較的解きやすい問題であった。
小問数は44問(うち論述問題が6問)でほぼ例年通りの出題であった。去年と大幅に変わったところはなく記号問題も多い(全体の6割)ため比較的解きやすい問題であった。
大問別分析
▶1《日本地理》
小問8(うち論述1)。諸地域の気候や農業工業など一般的な問題が出題された。表の読み取りをする問題が3問あった。
▶2《世界地理》
小問7(うち論述1)。宗教や気候貿易など一般的な問題が出題された。表の読み取りをする問題が4問あった。また地図が使われていない珍しい地理の問題になっている。
▶3《歴史》
国際的に活躍した人物の表を使った問題。小問8(うち論述1)。貿易や外交に関する問題が多く出題された。また世界史(「大航海時代」)の問題も出題されている。
▶4《歴史》
明治~昭和にかけての年表を使った問題。小問7(うち論述1)。「ある時期に何があったのか」「出来事の並べ替え」など塾生が苦手とする問題が多く出題されている。
▶5《公民》
1が経済で2が政治の問題となっている。小問7(うち論述1)。経済はGDP・市場価格・金融政策が政治は地方自治と内閣が出題された。また新傾向の問題として「XとYのどちらの政策に賛成かその政策の特徴を明らかにしなさい」という論述問題が出題されている。
▶6《公民》
SDGsの取り組みを使った問題。小問7(うち論述1)。円高円安国際連合基本的人権の尊重など政治分野・経済分野が混じった問題になっている。
※どの小問にも4点の論述問題があるが社会の知識が必要なものだけでなく資料や文章を読み取る力が必要とされる問題もあった。
新傾向や注意すべき問題
論述問題6問中3問がXとYで2つのことを答えさせる問題であった。両方できていないと×になる可能性があるので資料の正確な読み取りと社会の語句を説明する力が必要である。
2023年度入試への対策
語句で書かせる問題は基本知識で答えられる問題しか出題されていないためまずは教科書の太字を覚えておくことが大切である。それ以外に地理の資料の読み取り問題歴史の出来事の時期を聞く問題(並べ替え含む)三分野の論述問題は必ず出題されているため問題演習での対策をしておく必要がある。
2022年度 県立高校入試問題分析【数学】
大問数 | 6問 |
試験時間 | 50分 |
担当 | 井腰征夫 |
入試問題分析と講評
今年度の入試問題は昨年度までと出題形式が大きく変わり各大問が分野ごとにまとめて出題されるようなった。難易度は例年並みかやや易しめで難問はみられなかった。各分野で基礎的な問題から思考力を問う問題がバランスよく出題されていた。「表現力を育てる」という観点から結果までの過程や根拠を問う問題が毎年出題されている。今後も問題文を正確に読み取る読解力や表現力を試すような問題が増えると考えられる。
大問別分析
大問1 小問集合(配点16点)
前年度の14問から今年度は8問に。
正負の数文字式式の展開反比例2次方程式おうぎ形円周角と中心角合同条件に関する問題(4択)などバランスよく出題。
正負の数文字式式の展開反比例2次方程式おうぎ形円周角と中心角合同条件に関する問題(4択)などバランスよく出題。
大問2 平方根・方程式 (配点15点)
平方根(正の整数になるnの値をもとめる)連立方程式(運賃と割引)aをふくむ2次方程式(aと別の解を求める)
大問3 確率・標本調査・データ(配点16点)
さいころ(積が25以上になる確率)
ペットボトルのキャップの数(標本の割合から全体数を求める)
降水量のデータ(四分位数と箱ひげ図データのちらばりの比較と説明)
ペットボトルのキャップの数(標本の割合から全体数を求める)
降水量のデータ(四分位数と箱ひげ図データのちらばりの比較と説明)
大問4 作図・計量・証明(配点18点)
作図(垂直二等分線2点から等しい距離
にある点)三角柱辺の長さ(三平方の定理)切断した立体の体積
相似の証明(二等辺三角形の性質を利用)
にある点)三角柱辺の長さ(三平方の定理)切断した立体の体積
相似の証明(二等辺三角形の性質を利用)
大問5 2次関数・1次関数(配点22点)
①2つの2次関数y=x2とy=ax2(x軸について対称なグラフの式
三角形の面積が等しくなるaの値2直線が平行になるときのaの値)
②電気料金プランをもとにした1次関数のグラフの変化(電気使用料金を求めるグラフの式を求める2つの料金プランを比較説明する)
三角形の面積が等しくなるaの値2直線が平行になるときのaの値)
②電気料金プランをもとにした1次関数のグラフの変化(電気使用料金を求めるグラフの式を求める2つの料金プランを比較説明する)
大問6 規則性(配点13点)
(反復横跳びの動きから決まりを見つける
問題の内容を理解するための基本的な問題決まりを見つけて文字式で表す問題文字式を使って説明をする問題)
問題の内容を理解するための基本的な問題決まりを見つけて文字式で表す問題文字式を使って説明をする問題)
新傾向や注意すべき問題
今年度は箱ひげ図のような教科書改訂に伴う新しい問題が出題された。データに関する問題は今後も出題が予想される。また関数では電気料金のプランの比較のような実生活に関係のある問題が取り上げられている。普段からデータの読み取り練習をしたり日常生活の問題に関心を持つことを心がける必要がある。
2023年度入試への対策
大問が分野別に幅広く出題されているので苦手分野をつくらないことが大切です。そのためにバランスよく学力をつけることが大切です。対策としては①数学のまとめなどを使用して入試基礎問題を幅広く身につける②模擬テストや県立入試過去問などを利用して応用問題のに慣れるようにする③新傾向のデータ問題にも力を入れることを心がけてください。
2022年度 県立高校入試問題分析【理科】
大問数 | 9問 |
試験時間 | 50分 |
担当 | 出島亜紀 |
入試問題分析と講評
出題傾向は例年通り小問集合と物理・化学・生物・地学分野から各2題ずつの出題であった。記述問題が減少し表現力や様々な事象に対する考察思考力が問われる問題が増加した。それに伴い問題文字数も増加している。基礎知識に加え実験や観察への考察力文章を速く正確に読み取る読解力が必要となっている。
大問別分析
中1内容から2単元中2・中3内容から各3単元と偏りなく出題されている。小問数は36問で例年通りである。記述問題はほぼ半減し4問グラフ・作図の問題は大幅に減少して1問のみ。 計算問題は例年並みで5問であった。実験や観察への考察力を問う問題が多く出題されている。大問ごとの分析内容は以下のとおりである。
1<小問集合>
選択4問記述4問と例年通り。基礎的な知識を確かめる問題である。
2<火山>
ミョウバンの再結晶の実験から火成岩のでき方を考察させる問題。基礎知識と実験結果をしっかり紐づけできるかが問われている。
3<質量保存の法則>
表から発生した気体の質量を求めグラフ化する問題。気体が発生する仕組みが理解できているかが問われている。
4<電流・電圧・抵抗の関係>
オームの法則を使う計算問題が中心。直列回路並列回路など回路ごとの特徴を押さえ正しい回路図を考察する力が問われている。
5<動物の分類>
動物の分類に関する基礎的な知識を確かめる問題が中心であった。
6<中和反応>
中和反応によって生じる塩の特徴を確かめる問題。中和反応による各イオンの個数をグラフ化する力が問われている。
7<太陽の運動>
季節ごとの南中高度の変化に関する問題。年間を通しての影の変化やソーラーパネルの角度を求めるなど身近な現象を考察する力が問われている。
8<光合成と呼吸>
植物の光合成による二酸化炭素の増減の問題。実験の条件と実験の結果から光合成と呼吸の関係性を読み取り記述する力が問われている。
9<物体の運動>
台車を使った運動の問題。摩擦の有無での運動の違いや変化を考察する力が問われている。
新傾向や注意すべき問題
記述や作図の問題が減少し実験や観察を通して結果を考察する問題が多く出題されている。基礎知識から結果を論理的に推測する力考えたことを文章にする表現力読解力や思考力など総合力が問われている。また計算問題も多く出題されている。
2023年度入試への対策
物理・化学・生物・地学の4分野からバランスよく出題されるため偏りの出ないよう3年間の内容を学習していくことが必要である。また基礎的な知識だけではなくそれらをもとに理論を構築していく力を養っていかなければならない。常日頃から実験や観察に積極的に参加し結果を分析し考察していくことを習慣にしていくとよい。
2022年度 県立高校入試問題分析【英語】
大問数 | 6問 |
試験時間 | 50分 |
担当 | 谷田貝友紀 |
入試問題分析と講評
昨年と同じ大問5問での出題。大問ごとの点数配点も同様だが小問数総計は3問減の36問。他の科目同様思考力判断力表現力を問われる問いが多く40%弱が記述式の解答方法。高校の学習内容であった「仮定法」が長文の一部に使われていたが解答には影響がない程度であった。限られた時間で文を読み要点を把握し解答する力が問われる。
大問別分析
大問5題で構成。
【大問1 英文を聞いて要旨を把握する問題】
出題形式は昨年同様だが小問の出題数に変化。図や資料がすべて英語で書かれてあり英単語を書く問いも出題。似た表現を解答する問題も出題されている。
【大問2 適切な語句を選ぶ問題と整序結合問題】
1は英文で書かれた友人へのメールの空所に当てはまる単語を選ぶ問題。「会話表現」「現在完了」「動名詞」「前置詞を含む慣用表現」「形容詞」「文型」が出題。
2の並べ替えは対話文形式に変更。「不定詞」「比較」「関係代名詞」が出題。
2の並べ替えは対話文形式に変更。「不定詞」「比較」「関係代名詞」が出題。
【大問3 対話文】
昨年同様英文と図を見ながら解く形式で英作文も出題。2の適語句補充問題では「未来の文」「受け身の文」「不定詞」が出題。テーマ作文は昨年同様5文程度で解答。
【大問4 物語】
分量は昨年と変わらず。1の適語句補充問題は相手を誘う表現を答える問題。2と3は日本語で答える問題。
【大問5 説明文】
こちらも分量は昨年と変わらず。変更は2の問題で本文の流れに合うように4つの文を並び替えるものが出題。また4では英検3級筆記問題にある文章のタイトルを選ぶ問題が出題された。
新傾向や注意すべき問題
他の教科同様ここ数年出題形式が変化している。どの単元もバランスよく出題されているので「理解」「定着」が必要。またリスニングや英作文などで英単語を書く問題も出題されているので書けるように練習が必要。問いをよく読み解答する練習に励もう。
2023年度入試への対策
入学試験で合格点を取る「応用」力を身に着けるには「理解」「定着」が必須。単語の綴りや文法事項を確かめながら教科書の音読を繰り返そう。基本的な英文に慣れて50分で解答を仕上げる速読速解力を養おう。英検を受検したり土曜ゼミや日曜ゼミなどの入試対策講座に参加したりして英語の力を向上させよう。Do your best!